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お金を出して水を購入する現代-地球温暖化

いまではすっかり定着(ていちゃく)した感(かん)じがしますが、季節(きせつ)が夏(なつ)になるとペットボトルに入ったミネラルウォーターを持参(じさん)する人が多くいます。考(かんが)えてみますと、ぼくが子供(こども)の頃(ころ)はそのような光景(こうけい)を目にすることはありませんでした。当時(とうじ)からミネラルウォーターはありましたが、決(けっ)して飲(の)むために買(か)うという人は、ほとんどいなかったと思います。だいたい、販売(はんばい)しているお店も少なかったですからね。でも、いまとなっては、どこにいきましてもミネラルウォーターが売(う)っています。スーパー、コンビニはもちろんのこと、薬局(やっきょく)やホームセンターなどでも当たり前のようにあります。

現在(げんざい)では全国(ぜんこく)で400社(しゃ)・450銘柄(めいがら)(毎年(まいとし)変動(へんどう)があります)ものメーカーが、ミネラルウォーターをつくっています。こうしたペットボトルに入った水は、日本の有名(ゆうめい)な山地(さんち)の地下水(ちかすい)を利用(りよう)したものや、ヨーロッパからもちこまれたものなどさまざまです。変(か)わった銘柄(めいがら)として、昔(むかし)ではちょっと考えられなかった純水(じゅんすい)タイプも販売していたりします(※純水……水の成分(せいぶん)である鉄分(てつぶん)をすべて除去(じょきょ)した水のこと)。

昔は、日本の水道水はそのまま飲(の)むことができることから「世界一おいしい水道水」と呼ばれてきました。さらに、「湯水(ゆみず)のように使(つか)う」という言葉(ことば)がありますが、日本では水不足(みずぶそく)に悩(なや)まされることがなく、いつでも望(のぞ)むだけ手に入りました。それこそ無料(むりょう)で、です。

しかし、ここ数年(すうねん)の間に日本の水道水の事情(じじょう)が大きく変わりました。都会(とかい)では水道水をそのまま飲むという行為(こうい)はほとんどみられなくなりました。「水は購入して飲むもの」という意識(いしき)が定着しつつあります。または、蛇口(じゃぐち)に浄水器(じょうすいき)を取(と)り付(つ)ける家庭(かてい)も急増(きゅうぞう)しています。

なぜ水道水はまずくなったのか?

現在の水道水は、川の水が大部分(だいぶぶん)を占(し)めています。川に流れている水は浄水場(じょうすいじょう)で「ろ過(か)」を行(おこな)い、含(ふく)まれているゴミなどの不純物(ふじゅんぶつ)を除去(じょきょ)し、薬品(やくひん)でさっ菌(きん)を行い、そしてぼくたちの家の水道に運(はこ)ばれます。昔はこれでおいしい水道水をいただくことができました。しかし、現在は都会だけにはとどまらず、まずい水になっている地域(ちいき)が増(ふ)えています。理由に、川の水の汚染(おせん)が年々(ねんねん)ひどくなっているためです。ぼくたちの体に悪影響(あくえいきょう)を与(あた)える不純物をたくさん取り除(のぞ)くために、今まで以上(いじょう)にたくさんの薬品を使ってさっ菌をしています。このように多くの種類(しゅるい)の薬品が大量(たいりょう)に使われているために、まずくなっているのです。

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どうして川は汚れるのか?-地球温暖化

川に流れている水とは雨によるものがほとんどです。森が生(お)い茂(ぢげ)った上流(じょうりゅう)の山に降(ふ)ったたくさんの雨は、森の土中(どちゅう)に入り込(こ)んでいき、その水は、湧(わ)き水としてまた地上(ちじょう)に戻(もど)ってきます。このようにして、様々(さまざま)なところから湧き水が出てくると、それがやがて川へとなるのです。

例(れい)をあげると、富士山(ふじさん)のふもとにある山梨県(やまなしけん)忍野村(おしのむら)や静岡県(しずおかけん)三島市(みしまし)などの地域では、湧き水がたくさん出ることで全国的(ぜんこくてき)に有名(ゆうめい)だったりします。これらの地域の水は富士山に降った雨が何年もかけて地上に出てきたもので、そのまま飲んでもおいしくいただけるほど、大変(たいへん)きれいな水なのです。

ただ、いくらきれいな水でも川の中流(ちゅうりゅう)~下流(かりゅう)になっていくほど汚染(おせん)されてきます。人のいない上流は汚れることがないのですが、下流になると多くの人が生活しているため、各家庭(かくかてい)から流(なが)れ込む生活排水(せいかつはいす)が川に入り込むのです。

また、工場(こうじょう)や施設(しせつ)のある工業地帯(こうぎょうちたい)では、工場から出る排水(はいすい)が川に流されることがあります。これら生活排水や工場排水に含まれる、自然界(しぜんかい)では発生(はっせい)しない有がい物質(ゆうがいぶっしつ)が含まれていることが大半(たいはん)です。たとえば家庭排水のひとつには、食器(しょっき)を洗(あら)うときに使用(しよう)する食器洗剤(しょっきせんざい)は川の水によくありません。これらのものが川に流れるほど川は汚染されていきます。

もちろん、家庭排水や工場排水はそのまま川に流されず、きちんと下水処理場(げすいしょりじょう)で適切(てきせつ)な処理(しょり)を行った後(あと)に流(なが)されるのですが、地域(ちいき)や場所(ばしょ)によっては下水処理場のないところもあります。また、生活排水が下水処理されずにそのまま川に流されているところもあります。ほかに、川にゴミを捨てたりする者(もの)がいるなど、川の汚染の原因(げんいん)はさまざまです。

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浄水場の役割と仕組み-地球温暖化

各家庭の水道水は浄水場にて「ろ過」や「さっ菌」の行われた安心で安全な水です。近くに流れている川をみていただければわかると思いますが、そのままで飲むのには無理(むり)があります。川の水の汚染が酷(ひど)くなるほど、浄水場で行う処理が複雑化(ふくざつか)していきます。汚れの激(はげ)しい水ほど、たくさんの細菌(さいきん)がいるのです。そのため、これら細菌を除去するためにも、多くの薬品を使用することになります。ともなると、薬品にもにおいがあるため、水の中に匂(にお)いが残(のこ)ってしまうこともあります。そのため、薬品くさい「まずい水」ができてしまうのです。

浄水場の仕組み

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関連リンク-地球温暖化

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