トップページ >> エネルギーの問題解決(かいけつ) >> 地球温暖化(ちきゅうおんだんか)の問題・原因・対策
エネルギーが大量(たいりょう)に使用されることで問題となっている環境(かんきょう)破かいですが、深刻(しんこく)な問題の一つに地球温暖化があげられます。地球温暖化問題はひとつの国が取り組むだけでは決して解決しない問題でもあります。世界中の国々が手を取り合い地球温暖化問題に取り組んで行かなくてはいけません。1992年、ブラジルのリオデジャネイロで行われた「地球サミット」は、世界中の約180カ国が参加(さんか)し「気候変動枠組み条約(きこうへんどうわくぐみじょうやく)」が締結(ていけつ)されました。気候変動枠組み条約とは、年々増加(ぞうか)していく二酸化炭素(にさんかたんそ)の排出(はいしゅつ)について減少(げんしょう)させていくことを約束(やくそく)する内容になっています。
さらに、1997年12月には、温暖化防止京都会議(おんだんかぼうしきょうとかいぎ)で「京都議定書(きょうとぎていしょ)」が採択(さいたく)されました。京都議定書とは、地球温暖化の大きな原因となる二酸化炭素などの温室(おんしつ)ガスを今まで排出してきたアメリカ、ヨーロッパや日本などの先進国(せんしんこく)に対(たい)して、これから先どれだけ二酸化炭素排出を減少させることができるか、という目標が各国ごとに決定しました。日本の場合、2008年から2012年の期間で、温室ガス排出量を1990年時と比較(ひかく)し、6%減少させなくてはいけません。
気候変動枠組み条約や京都議定書などがなかったときは、二酸化炭素の排出の制限(せいげん)がなかったのですが、先進国を中心として、二酸化炭素排出について、それぞれの国が削減(さくげん)目標を決めたことは、地球温暖化問題の解決に向けての大きな一歩といえます。
ただ、世界でも二酸化炭素排出の上位グループにいるアメリカやロシアが、まだ正式に京都議定書の目標値を容認(ようにん)していません。また、アメリカは京都議定書からの離脱(りだつ)も宣言(せんげん)しています。さらに、これから先、先進国になってゆく発展途上国(はってんとじょうこく)についても目標値が定められていないため、解決しなくてはいけない問題が山のようにあります。
地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出を減少させるためには、これまで以上にエネルギーの無駄遣い(むだづかい)を控(ひか)える「省エネ」に徹(てっ)しなくてはいけません。また、二酸化炭素の排出をできるだけ少なくし、いままでよりたくさんのエネルギーを取得(しゅとく)できるような新しい技術の開発も重要(じゅうよう)なことです。同じ化石燃料でも、石炭より石油、石油より天然ガス(てんねんがす)の方が、二酸化炭素の排出が少なくすむのです。石炭を燃料としていた発電所(はつでんしょ)が天然ガスを燃料(ねんりょう)とするだけで、二酸化炭素の排出を抑(おさ)えることができます。
しかし、化石燃料は燃焼(ねんしょう)すると二酸化炭素が排出するものです。森林は二酸化炭素を吸収(きゅうしゅう)し、酸素を吐(は)き出す光合成(こうごうせい)を行いますが、それでも限度(げんど)というものがあります。やはり、二酸化炭素を出さない新しいエネルギーの開発が必要です。例をあげると、太陽の光を利用してエネルギーを得る太陽光発電(たいようこうはつでん)システム、風の力を得て発電する風力発電(ふうりょくはつでん)など、自然エネルギーを触媒(しょくばい)としてエネルギーを得るシステムの開発が進んでいます。これから先、化石燃料に頼(たよ)らない社会を作り上げるためには、現在使われているエネルギーシステムそのものを変更しなくては、地球温暖化問題の本当の解決には至(いた)らないでしょう。
地球温暖化によって地球はどのような影響を受けるのでしょうか。まず、これから100年後には9~88センチメートルの海面上昇(かいめんじょうしょう)があげられています。約100センチメートル(1メートル)の海面上昇で、珊瑚礁(さんごしょう)上にあるモルディブ諸島(しょとう)などは、海の中に沈(しず)んでしまう計算になります。また、低地帯(ていちたい)で暮らし(くらし)ているバングラデシュやエジプトなどは、陸地(りくち)が水没(すいぼつ)してしまい、多くのなん民が出てくるだろうと予測(よそく)されています。
さらに、気候(きこう)の変化(へんか)の影響で植物がかれてしまったり、ある種の動物に絶めつの危機(きき)が訪(おとず)れたりするなど、生態系(せいたいけい)に多大な被がいを与えることになるといわれています。