各地で発生している「異常気象」とは||地球温暖化・倶楽部

異じょう気象(いじょうきしょう)とは?-地球温暖化

テレビのニュース、新聞(しんぶん)などいろいろなところで見かける「異常気象(いじょうきしょう)」という文字。異常気象という文字からなんとなく意味(いみ)がわかってくるかと思いますが、ちゃんとした意味を知っていましたか? 異じょう気象とは、地球上の地域(ちいき)で、集中的(しゅうちゅうてき)に雨がたくさん降ったり、逆に雨がまったく降らなくなったり、または、気温が突然(とつぜん)上昇(じょうしょう)したり、逆に突然下降(かこう)したりするなど、過去(かこ)30年間(ねんかん)、観測(かんそく)されなかったような珍(めずら)しい天候(てんこう)になった場合(ばあい)に「異じょう気象」と呼ばれるようになっています。

異じょう気象(いじょうきしょう)が起(お)こりやするくなるのは?-地球温暖化

異じょう気象が起こりやすい原因というものがあります。地球上に流れている「大気(たいき)」が何らかの理由(りゆう)で乱(みだ)れたりすると、異じょう気象が発生(はっせい)しやすくなります。そして、ここ最近(さいきん)ではこの大気の乱れが頻発(ひんぱつ)し、結果、世界各地(せかいかくち)で異じょう気象(いじょうきしょう)が発生(はっせい)しているといわれています。

平成15年の異じょう気象(いじょうきしょう)について-地球温暖化

平成15年の夏に起きたヨーロッパの異じょう気象である気温の上昇(猛暑※もうしょ)は、大変(たいへん)なものでした。フランスの首都(しゅと)パリでは、いつもの夏の気温よりなんと16℃(ど)も上がってしまいました。平均気温(へいきんきおん)が常(つね)に40℃以上というのは、経験(けいけん)のしたことないパリの人たちにとって大変つらかったものでしょう。この異じょう気象をもたらしたのは地球をとりまいている「偏西風(へんせいふう)」に異常が起こったことといわれています。偏西風とは、地球の上空(北半球※きたはんきゅう)を時計の反対回り(西から東)に流(なが)れている風のことを言います。この偏西風は通常(つうじょう)、散(ち)らばりのない規則(きそく)正しいルート(道すじ)で吹(ふ)いていたのですが、平成15年の猛暑時(もうしょじ)には、くねくねとした散(ち)らばったルートで吹(ふ)いていました。ヨーロッパだけではなく、カレーで有名(ゆうめい)なインドでも平均気温(へいきんきおん)が約48℃前後(ぜんご)となり、そして僕たちの住む日本では、逆に冷夏(れいか)となる異じょう気象が発生しました。

偏西風(へんせいふう)のルート(道すじ)について-地球温暖化

偏西風とは地球の北半球(赤道(せきどう)より上側の地域、もちろん日本も含まれています)の上空を流れている風のことであり、西から東に流れていることから偏西風と呼ばれています。偏西風は円を描(えが)くように流(なが)れており、その円の内側(うちがわ)には冷たい風が、そして外側(そとがわ)は暖(あたた)かい風がながれています。ちょうど冷たい風と暖かい風の境界線(きょうかいさん)となっているという特徴(とくちょう)があります。偏西風は普段(ふだん)、規則(きそく)正しい道すじでながれているのですが、なんらかの原因(げんいん)で、この道すじが大きく乱れてしまうことがあります。すると、いままで暖かい風のながれていたところに冷たい風が入ってきたり、逆に冷たい風がながれていたところに暖かい風が入ってきたりします。すると、日本のように暖かい風が吹いていたのに、冷たい風が入ってくるようになり、夏なのに気温が上がらなくなるという現象(げんしょう)が起きてしまうのです。

異じょう気象の原因とされる偏西風の蛇行

地球温暖化(ちきゅうおんだんか)がもたらす異じょう気象(いじょうきしょう)

猛暑(もうしょ)や冷夏(れいか)だけではなく、世界中(せかいじゅう)では、雨が全然(ぜんぜん)降(ふ)らない干(かん)ばつ、大規模(だいきぼ)な森林火災(しんりんかさい)、集中的な降雨(こうう)など多数(たすう)の異じょう気象がみられます。また、アメリカからのニュースの多い、竜巻、ハリケーンなどの異じょう気象も多発(たはつ)していますね。記憶(きおく)の新(あたら)しいところではハリケーン「カトリーナ」があります。こういった異じょう気象の原因は、地球温暖化がもたらしているといわれています。地球が全体的に暖かくなったことにより、大気の流れが乱れてきているようです。

このような異じょう気象を引き起こす原因(げんいん)はいろいろありますが、やはり一番(いちばん)大きな原因は「地球温暖化(ちきゅうおんだんか)」です。地球温暖化とは簡単に言いますと、地球の平均的(へいきんてき)な気温(きおん)が上がることをいいます。もうひとつ、異じょう気象の原因といわれるのが「ヒートアイランド現象(げんしょう)」です。「地球温暖化」+「ヒートアイランド現象」により東京や大阪のような大都市(だいとし)の気温が大きく上昇する原因といわれています。

地球の自転(じてん)が早くなった!?-地球温暖化

最近、注目(ちゅうもく)されている異じょう気象。しかし、僕たちが生まれる以前(いぜん)から地球ではさまざまな異じょう気象が発生(はっせい)していました。例(れい)を挙(あ)げますと、昭和38年の1月、新潟県(にいがたけん)の高田市で起きた積雪(せきせつ)3メートルも超(こ)えるほどの降雪(こうせつ)です。まだ国鉄(いまはJRですね)であった列車(れっしゃ)で、新潟駅(にいがたえき)から東京へ向けて発車(はっしゃ)したのはいいのですが、この雪のせいで、動(うご)くことができなくなってしまい、なんと3日もかかって到着(とうちゃく)したという出来事(できごと)がありました。このような異じょう気象が発生したのは日本だけではなく、世界中のあらゆる地域でも発生していました。このときもやはり地球上に流れる大気が乱れていたということです。そして、地球の自転軸(じてんじく)がずれるという現象(げんしょう)もあわせて起こり、この年の地球の自転(じてん)がちょっと早くなりました。自転が早くなるような大気の乱れですが、観測結果(かんそくけっか)から、過去1万年に一回起きるかどうかと言う大変珍しい結果がでたのです。

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