地球温暖化(ちきゅうおんだんか)が社会問題(しゃかいもんだい)となり、現在進行形(げんざいしんこうけい)で気温上昇(きおんじょうしょう)が継続(けいぞく)しているのが現実です。このまま地球温暖化がストップせず、続いていったらどうなるのでしょうか。気候変動(きこうへんどう)に関する政府間(せいふかん)パネル(IPCC※アイピーシーシー)では、100年後すなわち2100年以降の地球では平均気温(へいきんきおん)が1.4~5.8℃も上昇(じょうしょう)すると言われております。夏と冬の気温差(きおんさ)を経験(けいけん)している僕(ぼく)たちにとって「たかだか5℃の上昇(じょうしょう)」と思われがちですが、僕たち人間が地球に生まれてから今日(こんにち)まで、100年で平均気温が5℃上昇するということを経験(けいけん)したことがありません。僕たちの人生にとって100年は大変長い時間ですが、長い地球の歴史(れきし)では100年は大変短いといえます。急激(きゅうげき)ともいえるこの5℃の上昇は自然(しぜん)や僕たち人間に必ずなにかしらの影響(えいきょう)を及ぼすことでしょう。
気温が上がるとき、世界中(せかいじゅう)すべての地域(ちいき)が同じような上昇温度(じょうしょうおんど)になると思われている方もいるかもしれません。しかし、たとえば世界の平均気温が5℃上昇した場合、北半球(きたはんきゅう)と南半球(みなみはんきゅう)とでは、上昇温度(じょうしょうおんど)が違(ちが)ってきます。北半球は南半球と比較(ひかく)すると、陸地(りくち)の割合(わりあい)が多いといえます。陸地は熱(ねつ)を受け止め放出(ほうしゅつ)してしまいますので、どうしても気温が南半球よりも高くなってしまいます。南半球は海の割合(わりあい)が大きいです。海水は温(あたた)まりにくく、冷(さ)めにくいため気温上昇が北半球と比(くら)べ緩(ゆる)やかとなります。
世間(せけん)では地球温暖化と騒(さわ)がれていますが、正直(しょうじき)なところ、僕(ぼく)たちの周辺(しゅうへん)の生活(せいかつ)や暮(く)らしの中からは地球温暖化の危機感(ききかん)はあまり感じられないと思いませんか? 地球温暖化は進んでいるという実感(じっかん)、そして、地球温暖化になったときの影響(えいきょう)について鈍感(どんかん)になっていると思います。また、地球温暖化が進んでいるという意見(いけん)に対する意見も実はあるのです。
地球温暖化を肌で感じるには?のリストから最後(さいご)に紹介(しょうかい)した「大気と海水の~」ということからもわかるように、大気と海水とで二酸化炭素の循環(じゅんかん)が行われています。
僕たちが息(いき)を吐(は)くとき、そこには水分(すいぶん)と二酸化炭素が含(ふく)まれています。また、化石燃料(かせきねんりょう)(石油(せきゆ)、石炭(せきたん)など)を燃焼(ねんしょう)するとき、火さい(森林火さい)などでも二酸化炭素は排出(はいしゅつ)されます。この空気中に放(はな)たれた二酸化炭素ですが、循環により酸素などに還元(かんげん)されておりますが、それでも半分(50%)は空気中に残ったままとなります。一方の半分が還元されておりますが、そのうちの30%は海水に吸収(きゅうしゅう)されています。しかし、残りの20%がどのように還元(かんげん)されているのか、実はまだ解明(かいめい)に至(いた)っておりません。この未解明である20%の二酸化炭素消しつを通称(つうしょう)「ミッシングシンク」と呼んでいます。
※ミッシングシンク……ミッシング(行方ふめい)、シンク(沈みこむ)
二酸化炭素は炭素(たんそ)の一種(いっしゅ)ですが、この炭素は、植物、生物、海、大気などで放出されたり、吸収されており「循環(じゅんかん)」が行われております。この炭素の循環を「炭素循環」と呼びます。炭素循環を行う上で、海水や植物は大変重要(じゅうよう)な役割を行っています。