「エルニーニョ現象」とは||地球温暖化・倶楽部

異常気象(いじょうきしょう)の原因(げんいん)のひとつ「エルニーニョ現象(げんしょう)」-地球温暖化

最近(さいきん)の異常気象(いじょうきしょう)は地球温暖化(ちきゅうおんだんか)が進んだ事(こと)による影響(えいきょう)が大(おお)きいのですが、実(じつ)はそれだけではありません。「エルニーニョ現象」も異常気象を引き起(お)こす原因(げんいん)の一つとして数(かぞ)えられております。

エルニーニョ現象は、南米(なんべい)の北西(ほくせい)に位置(いち)するペルー沖(おき)で冬の季節(12~3月あたり)にかけて、海の温度(おんど)が上がることをいいます。海水(かいすい)の温度が上昇(じょうしょう)するため、魚は住(す)みづらくなり、ペルー沖で漁業(ぎょぎょう)を営(いとな)んでいる人々にとっては深刻(しんこく)な問題(もんだい)として取(と)り上げられております。エルニーニョ現象は大きなものになりますと、日本からアメリカに広がる太平洋のペルー側半分(がわはんぶん)の温度が上昇(じょうしょう)してしまいます。

エルニーニョ現象による異常気象(いじょうきしょう)-地球温暖化

エルニーニョ現象の発生後(はっせいご)には、熱帯地方(ねったいちほう)を中心に、いろいろな異じょう気象が発生しております。インドネシアに発生した大干ばつ、南アジアの集中豪雨(しゅうちゅうごうう)、南米北部(なんべいほくぶ)の気温上昇(きおんじゅおうしょう)や干ばつなど、エルニーニョ現象が起きた後(あと)には、このような異じょう気象が世界各地(せかいかくち)で起きてしまいます。さらにこれらの異じょう気象は2次災がい(土砂崩れ(どしゃくずれ)、洪水(こうずい)、森林火さい、など)を起こす原因にもつながるのです。

エルニーニョ現象(げんしょう)が起(お)きる理由(りゆう)-地球温暖化

エルニーニョ現象が起きる原因について考(かんが)えてみましょう。太平洋の東側の熱帯地域では、「貿易風(ぼうえきふう)」と呼(よ)ばれる風が吹(ふ)いています。これは東風(ひがしかぜ)です。この「貿易風」により、太平洋の東側(ペルー沖側)の海水の表面側(ひょうめんがわ)にある「温度の高い海水(かいすい)」が西側(にしがわ)に吹かれ、その結果、下側から冷たい海水が上がってきて、表面の海水温度を低くします。すると、西側の海水温度は高くなり、東側(ペルー沖側)の海水温度は低くなることで、西側の温度の高い海水から暖(あたた)かい空気が上空(じょうくう)に放出(ほうしゅつ)され、雨雲(あまぐも)ができやすくなり、西側(にしがわ)の地域に雨を降(ふ)らせやすくします。しかし何かが原因で、「貿易風」が弱(よわ)く吹いてしまうと、東側の「温度の高い海水」を西側へ運(はこ)ぶことができず、東側の海水温度は高いままになってしまいます。すると、本来(ほんらい)、冷たいはずの東側の海水温度は高いままであり、東側と西側とで温度差(おんどさ)が生(しょう)じず、雨雲が東側よりに発生してしまいます。この現象により地球全体の大気(たいき)の流(なが)れをくるわせてしまい、各地で異じょう気象が発生する原因となります。

太平洋赤道付近(たいへいようせきどうふきん)のエルニーニョ現象(げんしょう)-地球温暖化

正常状態(せいじょうじょうたい)

ペルー沖(おき)から貿易風(ぼうえきふう)が吹くと、海水表面(かいすいひょうめん)の温度(おんど)の高い海水(かいすい)が西側(にしがわ)へ移動(いどう)します。そして移動した部分あたりの深いところから冷たい海水が表面へ上がってきます。西側に移動した温かい海水は雨雲(あまぐも)を発生(はっせい)させ、雨を降(ふ)らせます。

エルニーニョ現象(げんしょう)

ペルー沖(おき)から貿易風(ぼうえきふう)が弱いと、海水表面(かいすいひょうめん)の温度の高い海水が西側へ移動せず、さらに西側へ移動したはずの暖かい海水が東側(ひがしがわ)へ再(ふたた)び戻(もど)ってきてしまいます。暖(あたた)かい海水(かいすい)はペルー沖(おき)に滞在(たいざい)したままになってしまい、そこに雨雲が発生します。

太平洋赤道域のエルニーニョ現象

エルニーニョ現象(げんしょう)の期間(きかん)-地球温暖化

エルニーニョ現象は4~5年に1回の確率(かくりつ)で大きなものが起きると記録(きろく)されています。そして長いときは1年以上も継続(けいぞく)することがあります。過去(かこ)に、1年も続(つづ)いたエルニーニョ現象は、1982~1983年、1997~1998年です。

地球温暖化(ちきゅうおんだんか)とエルニーニョ現象について

異じょう気象(いじょうきしょう)の原因(げんいん)のひとつは「地球温暖化(ちきゅうおんだんか)」、そしてもう一つは「エルニーニョ現象(げんしょう)」といわれています。しかし、地球温暖化が進んでいるから、エルニーニョ現象が発生(はっせい)しているわけでもないようです。実は、両者(りょうしゃ)の関係性(かんけいせい)はよくわかっていません。しかし、近年(きんねん)、急速(きゅうそく)に地球温暖化は進(すす)んでおり、そして、大規模(だいきぼ)なエルニーニョ現象が合わせて発生している事実(じじつ)がありますので、まったく無関係(むかんけい)ではないと僕個人(ぼくこじん)は考(かんが)えております。エルニーニョ現象が発生する仕組(しく)みや地球温暖化との関係をあばくために、現在(げんざい)、数千個(すうせんこ)に及(およ)ぶ観測機器(かんそくきき)を用(もち)いて解明中(かいめいちゅう)です。近い将来(しょうらい)、エルニーニョ現象の謎(なぞ)が解(と)き明(あ)かされるときが来るかもしれません。

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