「二酸化炭素」の増加とは||地球温暖化・倶楽部

二酸化炭素(にさんかたんそ)が急激(きゅうげき)に増(ふ)えた時期(じき)-地球温暖化

僕たちが現在生きている21世紀(せいこ)、地球の気候(きこう)は、落ち着いている間氷期(かんひょうき※氷河期(ひょうがき)の中の暖(あたた)かい時期)です。間氷期に入ってから今日まで約1万年という膨大(ぼうだい)な時間が流(なが)れていますが、この間、大きな気温の変化(へんか)がなかったのも、大気(たいき)に含まれる二酸化炭素(にさんかたんそ)の量(りょう)がちょうど良い感じで保(たも)たれていたためです。しかし、200年前くらいから二酸化炭素の量(りょう)がいままでにないくらい増加するという現象(げんしょう)がみられました。

産業革命(さんぎょうかくめい)の発起(ほっき)-地球温暖化

いまから約200年前に一体何が起きたというのでしょうか? それはイギリスで産業革命が起こったためです。産業革命とは、これまで手により行(おこな)っていた製品(せいひん)や商品(しょうひん)作りを、機械(きかい)を使って行うようになった始まりのことです。現在の仕組(しく)みの礎(いしずえ)といえます。蒸気機関(じょうききかん)を利用した機械(きかい)で生産を行っていたので、燃料(ねんりょう)には石炭(せきたん)が大量(たいりょう)に使われました。産業革命により短時間(たんじかん)で大量の製品作りが可能(かのう)となりました。

石炭燃焼後(せきたんねんしょうご)の二酸化炭素排出(にさんかたんそはいしゅつ)-地球温暖化

このように生産性(せいさんせい)は大いに向上(こうじょう)したのですが、石炭(せきたん)を燃やした後に発生(はっせい)する二酸化炭素により、大気中の濃度(のうど)が、この年を境(さかい)に急激(きゅうげき)に増加(ぞうか)しました。温室効果(おんしつこうか)は二酸化炭素によるものであるので、大気中に二酸化炭素が増加すると、温室効果は強くなります。そのため、気温は増加したのです。

これからも増加(ぞうか)を続ける二酸化炭素(にさんかたんそ)-地球温暖化

僕たち人間が地球に生を受けてから今日(こんにち)に至(いた)るまで、たいへん厳(きび)しい氷期(ひょうき※氷河期(ひょうがき)の中で寒い時期)、そして、あたたかい間氷期(かんひょうき)を十数回(じゅうすうかい)繰(く)り返(かえ)してきました。もっとも厳しかった氷期では、大気(たいき)に含(ふく)まれる二酸化炭素(にさんかたんそ)の量(りょう)が180ppm(ピーピーエム)という数値(すうち)でした。ppmとは数値を表(あらわ)す単位(たんい)のことです。100万分(まんぶん)の1。これは1%(パーセント)の1万分の1を示(しめ)すことであり、1ppmは0.0001%という大変小さな数値となります。180ppmですから、0.018%ということになりますね。1万年前から間氷期に入り200年前までは、約280ppm前後の数値でした。しかし、平成12年では、369ppmの数値を示しています。約9800年間殆(ほとん)ど変わらずに一定(いってい)の数値だったのに対し、200年間で約90ppmも増加(ぞうか)してしまいました。これは1年間で約2ppm増え続けてきた計算(けいさん)にもなります。これは大変(たいへん)早い速度(そくど)での上昇(じょうしょう)といえるのです。そして、現在も二酸化炭素は早いスピードで増え続けています。

大気(たいき)に含(ふく)まれる二酸化炭素(にさんかたんそ)と平均気温(へいきんきおん)の関係(かんけい)-地球温暖化

化石燃料(かせきねんりょう)を大量(たいりょう)に消費(しょうひ)し、大気(たいき)に二酸化炭素(にさんかたんそ)を排出(はいしゅつ)し続けた結果(けっか)、人工的(じんこうてき)に増え続けている二酸化炭素の量(りょう)が、わずか1秒の間に「762トン」も増えているのです。産業革命後、今日までで大気に含まれる二酸化炭素濃度(にさんかたんそのうど)が約32%も増加してしまいました。温室効果(おんしつこうか)を高(たか)めることになる二酸化炭素の増加。このまま増(ふ)え続けますと、2100年には現在の平均気温より約1.4~5.8℃まで上昇(じょうしょう)するだろうと予想(よそう)されております。平均気温が上がると、僕たちの生活がかわってしまうかもしれません。

一息(ひといき)つこう!-地球温暖化

二酸化炭素が増えた最大の原因(げんいん)は灯油、石油やガソリンといった化石燃料の消費(しょうひ)によるものです。では、「化石燃料の利用を控(ひか)えればいいのでは?」と思われるかもしれませんが、僕たちの生活には切っても切り離(はな)すことができないのです。テレビ、冷蔵庫(れいぞうこ)やパソコンなどの家電(かでん)・電気製品(でんきせいひん)などで必要とする「電気」は化石燃料から作られているのです。電気がなくては、僕たちの生活は成り立ちませんよね。しかし、電気を利用すればするほど、大気に二酸化炭素が排出(はいしゅつ)されてしまい、温室効果が強まる原因となります。もちろん、自動車(じどうしゃ)や飛行機(ひこうき)なども燃料が石油である以上、二酸化炭素を排出(はいしゅつ)します。1990年から異常気象(いじょうきしょう)が増えたのも、急速(きゅうそく)に地球温暖化が進んだためといえます。僕たちの生活は昔(むかし)に比(くら)べると信じられなくらい便利(べんり)になりました。しかし、便利になればなるほど、二酸化炭素の排出量(はいしゅつりょう)は増えていく一方です。

大昔(おおむかし)の二酸化炭素(にさんかたんそ)を調(しら)べるには?-地球温暖化

こちらでも大昔の二酸化炭素(にさんかたんそ)のことについて詳(くわ)しく数値(すうち)まで出し示していますが、なぜ1万年前という大昔の二酸化炭素の量を調べることができるか不思議(ふしぎ)に思ったことでしょう。それは、氷(こおり)に秘密(ひみつ)があります。南極大陸(なんきょくたいりく)には地球の気候(きこう)について調べることを目的とした基地(きち)が建(た)てられています。南極の氷には大昔の空気も一緒(いっしょ)に凍(こお)っています。そこでその氷を掘(ほ)り出して調べると二酸化炭素がどれだけ含まれていたかわかるのです。しかし、この掘る作業(さぎょう)は結構(けっこう)大変(たいへん)で、10年かけて、ようやく2503メートルの深(ふか)さまで掘ることができました。この時点(じてん)で、いまから約32万年前の地球の気候を調べることができるようになったのです。

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