森の土はきれいな水をつくりだす-地球温暖化

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降(ふ)っている雨は大気内(たいきない)の水蒸気(すいじょうき)が水滴(すいてき)に変化(へんか)したものがあわさったものですので、川に流れている水よりはきれいでありますが、雨粒(あまつぶ)が地表(ちひょう)につく頃(ころ)には、空気(くうき)の中に含(ふく)まれている埃(ほこち)や酸性(さんせい)の物質(ぶっしつ)などを吸収(きゅうしゅう)しますので、結局(けっきょく)汚(よご)れてしまいます。しかし、森林地域(しんりんちいき)に降った雨に関(かん)しては、土の中に流(なが)れ込み、また地表にでてきたものは、そのまま飲(の)んでもおいしいほど、クリーンでおいしい水に変化(へんか)しています。この水がきれいになるからくりは「土」にあります。

土には、元来(がんらい)、岩(いわ)や石が風化(ふうか)することによりできた砂(すな)、粘土(ねんど)や火山灰(かざんばい)などが堆積(たいせき)したものです。でも、森の土の秘密(ひみつ)はこれだけでは終わりません。

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森の土の仕組みや役割とは?-地球温暖化

森にはたくさんの生物(せいぶつ)や植物(しょくぶつ)が生息(せいそく)しています。森を歩いてみると通常(つうじょう)の地面(じめん)の感触(かんしょく)と異(こと)なることがわかると思います。土の上には、落(お)ち葉(ば)や枯(か)れ枝(えだ)が重(かさ)なっており、これらがくさり、土の表面(ひょうめん)を化粧(けしょう)しております。また、落ち葉などは、土の中に生息(せいそく)するミミズ、ダンゴムシ、ハサミムシ、ヤスデ、ムカデや微生物(びせいぶつ)などにより分解(ぶんかい)されます。そして、自然(しぜん)な肥料(ひりょう)(※腐植(ふしょく)……土壌中(どじょうちゅう)の有機物(ゆうきぶつ)が微生物の作用(さよう)によって分解する過程(かてい)でできる黒褐色(くろかっしょく)の物質(ぶっしつ))となり土の中に染(し)みこんでいきます。これは森の中の植物に必要な養分(ようぶん)が、たくさん含(ふく)まれています。

また、ミミズ、ダンゴムシ、ハサミムシ、ヤスデ、ムカデや微生物が土の中を移動(いどう)することで、土に隙間(すきま)ができます。こうして隙間ができることで、土の中をかき混(ま)ぜていることになります。森林地帯で降った雨は、この土の隙間を通(とお)っていくときに、埃やゴミなどの不純物が「ろ過(か)」されますので、地表に出る頃(ころ)にはすっかりきれいになっているのです。腐植(ふしょく)には他(ほか)にも効果(こうか)があり、微生物によって、水に含まれる有がい物質(ゆうがいぶっしつ)を無(む)がいにしたり、減少(げんしょう)させることもできます。

さらに、土の隙間を蓄積(ちくせき)した雨の水は、ちょっとずつ地下(ちか)へ地下へと染みこんでいきます。もし土の内部(ないぶ)が固(かた)かったら、雨の水は地中(ちちゅう)に染みこむことができずに、地表を流れてしまいます。この現象(げんしょう)ですが規模(きぼ)が大きくなると「洪(こう)ずい」に発展(はってん)します。

このように、森の土には、植物をよく育(そだ)てさせるための栄養分(えいようぶん)を含(ふく)み、水をきれいにしてくれますし、その水を蓄(たくわ)えることで「洪ずい」からも守(まも)ってくれているのです。

森の土の仕組み

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まだまだある! 森の役割-地球温暖化

森にはまだまだ多くの役割を秘(ひ)めております。それらを紹介(しょうかい)しましょう。

気温(きおん)が上がるのを和(やわ)らげる

都会(とかい)では、エネルギーの消費量(しょうひりょう)が大量(たいりょう)であるため、その地域(ちいき)の周囲(しゅうい)と比較(ひかく)すると気温が高くなると言う現象がしばしば起きます(ヒートアイランド現象)。しかし、そういった都市においても、樹木(じゅもく)が多いところ(公園(こうえん)や神社(じんじゃ)など)では、気温が上昇(じょうしょう)することがほとんどありません。なぜなら、樹木の葉っぱや枝に付着(ふちゃく)した雨や、土の中から吸(す)った水の一部(いちぶ)が水蒸気に変化(へんか)しているため、その周囲の気温が上がらないのです。

空気に含まれる二酸化炭素(にさんかたんそ)を吸う

樹木は光合成(こうごうせい)により二酸化炭素を吸収し、ぼくたちの呼吸(こきゅう)に必要な酸素(さんそ)をつくり出します。地球温暖化の原因の一つに、大気に含まれる二酸化炭素の増加(ぞうか)があげられます。したがって、森は地球温暖化を防止(ぼうし)するという大変重要(じゅうりょう)な役割を担(にな)っています。

生態系(せいたいけい)のバランスを保持(ほじ)する

森にはそれこそ多くの生物と植物が存在(そんざい)します。光合成で大きく成長した植物の幹(みき)、葉っぱや実は、草食動物(そうしょくどうぶつ)の餌(えさ)となります。また、草食動物は肉食動物(にくしょくどうぶつ)の餌となります。そして、これら動物たちから出る排泄物(はいせつぶつ)は、ダンゴムシやミミズといった土壌動物(どじょうどうぶつ)により土に分解(ぶんかい)され、植物の栄養分となります。このようにして、森はそれぞれが支え合うことができるようバランスを保持(ほじ)するという役割を担っています。

土砂(どしゃ)崩(くず)れを防止する

森は平地に比(くら)べ雨が降りやすいため、ときには大雨が集中的(しゅうちゅうてき)にふることもあります。このように大雨が降ったとしても、土の中に水分が染(し)みこみ蓄(たくわ)えられるため、地表が崩(くず)れることもありません。さらに、樹木の根(ね)が土の中でしっかりと絡(から)まっているため、大きく削(けず)られる心配(しんぱい)もありません。

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