減少していく熱帯雨林-地球温暖化

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世界各地(せかいかくち)で実施(じっし)されている森林伐採(しんりんばっさい)は、日本で行われている森林破(は)かいと比較(ひかくk)しても、かなり深刻化(しんこくか)されています。地球(ちきゅう)にある森林の面積(めんせき)は、陸(りく)のだいだい25%にあたる約3,900万平方(へいほう)キロメートルです。しかし、平成2年から平成12年までの期間(きかん)で、これら森林のうち約94万平方キロメートルも失われました。この数値(すうち)は日本の面積の約2倍以上(いじょう)にもあたります。

世界中できわめて森林が失(うしな)われている地域(ちいき)は、南アメリカ、東南(とうなん)アジアやアフリカ中西部(ちゅうせいぶ)などに密生(みっせい)する熱帯林です。熱帯林はこれまで、人の手により伐採(ばっさい)されたり、破かいされてきました。これほど多くの木をなぜ切ったり破かいしたりするのでしょうか? それは、その地域(ちいき)で暮(く)らしている人たちの生活(せいかつ)の為(ため)なのです。

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計画性のない焼畑農業-地球温暖化

熱帯林のある国の大半(たいはん)はアメリカ、ヨーロッパや日本とは違(ちが)い、発展途上国(はってんとじょうこく)であるものがほとんどです。近代工業(きんだいこうぎょう)などの発展(はってん)がまだ十分(じゅうぶん)ではありません。そのため、木材(もくざい)をきって、アメリカ、ヨーロッパや日本などの先進国(せんしんこく)に輸出(ゆしゅつ)することで暮(く)らしを成(な)り立たせてきました。そして木の切った跡地(あとち)には畑(はたけ)を耕(たがや)すために、農民(のうみん)たちが火で木の切り株(かぶ)・草を燃(も)やし、そこから得(え)られる灰(はい)を肥料(ひりょう)にして、農作物(のうさくもつ)を育(そだ)ててきました。こうして農地(のうち)を開拓(かいたく)する方法(ほうほう)を「焼畑(やきはた)」と呼(よ)びます。また、同じ方法で牧草地(ぼくそうち)を作る場合は、「火入れ放牧(ひいれほうぼく)」と呼んでいます。

最初(さいしょ)から大きな木が切ってある場所(ばしょ)に火をつけるわけですから、複雑(ふくざつ)な作業(さぎょう)がありませんし、お金もかかりません。しかし、焼畑を一度(いちど)でも行うと、土にあった養分(ようぶん)の多くを失(うしな)ってしまいます。したがって、数年後(すうねんご)には焼畑を行った土地で農作物(のうさくもつ)が育(そだ)たなくなったり、牧草(ぼくそう)がはえなくなります。そこで2・3年という短(みじか)いサイクルで別(べつ)の場所を見つけて、焼畑を行うのです。

人が少なかった昔(むかし)は、森林が回復(かいふく)するのを待ってから土地を再(ふたた)び利用(りよう)していたので、農業は、問題(もんだい)なく行うことができました。

しかし、人が急激(きゅうげき)に増加(ぞうか)したことにより、食べ物の消費(しょうひ)が多くなったり、外国(がいこく)に農作物を輸出(ゆしゅつ)するために栽培(さいばい)を行ったりなどで、次から次へと熱帯林が切り倒(たお)されていき、森林の回復(かいふく)待たずに、大きな規模(きぼ)による計画性(けいかくせい)のまったくない焼畑が行われ続けました。また、もっと多く輸出するために、農作物を栽培(さいばい)するという儲(もう)けを第一(だいいち)に考えた人たちも多くなりました。

このように、無計画(むけいかく)に焼畑が繰(く)り返(かえ)されてきたことで、土の養分のなくなった土地には植物(しょくぶつ)が全然(ぜんぜん)育(そだ)たない、荒地(あれち)になってしまったのです。

伝統的(でんとうてき)だった焼畑農業

かつて焼畑農業とは、熱帯地域(ねったいちいき)に住む山岳民族(さんがくみんぞく)の農業(のうぎょう)スタイルであり、伝統的なものでした。熱帯地方の森深くに住み、森が再生できる程度(ていど)をしっかりと考えてバランスをとってきました。しかし、こうした山岳民族でさえ、近年は人口増加(じんこうぞうか)による食料問題(しょくりょうもんだい)で、森林が回復する前に焼畑をするようになってしまいました。かつてあった森林とのバランス関係(かんけい)が、現在(げんざい)においてはなくなりつつあります。

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熱帯林が失われることによる影響-地球温暖化

こうして、次々と熱帯林が切り倒(たお)され、その跡地(あと)を焼(や)かれ、焼畑農業を繰り返してきたことにより、樹木(じゅもく)が山の崩(くず)れを防止(ぼうし)する力や森林の土が雨水を吸(す)って蓄(たくわ)える力もなくなってしまい、集中豪雨(しゅうちゅうごうう)による土砂(どしゃ)さい害や洪(こう)ずいなどの自然さい害を防ぐことができなくなりました。

こうした自然さい害がもたらす影響を懸念(けねん)した発展途上国は、森林伐採(しんりんばっさい)を禁止(きんし)したり、一定(いってい)のルールを決めて制限(せいげん)したりなど対策(たいさく)をとってきましたが、現地(げんち)の人々にも生活があるために、やはり森林伐採は続けられました。

東南(とうなん)アジアでは、海沿(うみぞ)いにあるマングローブ林(りん)が、住宅地(じゅうたくち)や工業地帯(こうぎょうちたい)などの都市開発(としかいはつ)のために大きな規模で伐採されました。このためマングローブ林内の生態系(せいたいけい)バランスが大きく崩れてしまい、土や水の汚染が深刻化(しんこくか)しております。

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