世界による取り組み-砂漠化問題-地球温暖化

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世界のさまざまな地域で砂漠化が進んでおります。一度(いちど)、土地が砂漠化してしまうと、かつての樹木(じゅもく)の生(お)い茂(しげ)った森林地帯(しんりんちたい)に戻(もど)すためには、巨大(きょだい)なお金と労力(ろうりょく)が必要となります。また、時間も相当(そうとう)かかりますので、はっきり申(もう)しますと、砂漠化を元に戻すのは不可能(ふかのう)に近いものがあります。したがって、これ以上(いじょう)地球上(ちきゅうじょう)で砂漠化が起(お)きないように、ぼくたちは力を合わせて努力(そりょく)する必要(ひつよう)があります。

砂漠化が進(すす)む原因(げんいん)には、その地域が貧(まず)しいということがあげられます。例(れい)をあげますと、もともとは40頭(とう)の山羊(やぎ)しか飼(か)うことのできない土地にたいして、それでは家族(かぞく)を養(やしな)っていくことができないということで、さらに山羊を増加(ぞうか)して飼うと、山羊の餌(えさ)となる草が、山羊が増(ふ)えた分だけ不足(ふそく)してしまいます。すると、まだ育ちきっていない草の芽(め)も食べてしまうため、その土地の草が生えてこなくなってしまいます。

このような問題にたいして、1996年に国連(こくれん)では解決策(かいけつさく)の一環(いっかん)として「砂漠化対処条約(さばくかたいしょじょうやく)」が発効(はっこう)されました。そして、砂漠化対処条約の採択(さいたく)となった6月17日を「世界砂漠化(せかいさばくか)・干ばつ(かんばつ)対処(たいしょ)の日」に決定(けってい)しました。

砂漠化対処条約は、アフリカを中心とした砂漠化の影響(えいきょう)を大きく受(う)けている国々を助けるようにと促(うなが)し、また、砂漠化の原因の一つに挙(あ)げられる、その地域(ちいき)で生活する人々の貧(まず)しさをなくするという取り組むことを義務(ぎむ)としています。

ただ、このような対策(たいさく)は貧(まず)しい国々(くにぐに)だけの力では、解決(かいけつ)に至(いた)りません。そのため、砂漠化対処条約により、アメリカ、ヨーロッパや日本などの先進国(せんしんこく)が、貧しい国々に対して経済面(けいざいめん)や技術面(ぎじゅつめん)で助けるということも一緒(いっしょ)に定(さだ)められました。

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土壌流ぼうを防ぐ-地球温暖化

世界各地(せかいかくち)の傾(かたむ)いた土地の畑で発生(はっせい)している土壌流ぼうは、土地が弱体化(じゃくたいか)すればするほど、洪ずいが起きやすくなります。土壌流ぼうにより、川底(かわぞこ)へ土砂(どしゃ)が流(なが)れてしまうと、その分(ぶん)だけ川底が厚(あつ)くなり、高(たか)くなります。すると、堤防(ていぼう)から水があふれる結果(けっか)となり、川の水が氾らん(はんらん)してしまいます。

こうした土壌流ぼうを防ぐためには、畑の耕(たがや)しをいつも以上に深く行ったり、地表(ちひょう)を藁(わら)など使って覆(おお)ったりなどの対策を行い、雨や風で土が削(けず)られ持って行かれないようにと、いろいろな取り組みがとられています。

中国(ちゅうごく)の黄土高原(おうどこうげん)の畑は、土壌流ぼうが激(はげ)しいのですが、雨によって土壌が深く削られた溝(みぞ)がたくさんあります。中国では、こうした土壌流ぼうを防ぐために、傾(かたむ)いた土地に作られた畑を、時間をかけて平坦(へいたん)な段々畑(だんだんばたけ)に戻(もど)しています。中国では土壌(どじょう)が弱体化しているという事態(じたい)を重(おも)くみて、角度(かくど)25度以上の急(きゅう)な斜面(しゃめん)は畑にしないで、森にする(植林する)ように、と決定(けってい)しました。これの決定前(けっていまえ)に、斜面(しゃめん)へつくってしまった畑のオーナーには、5年分の生活費(せいかつひ)の補助(ほじょ)を行うかわりに、平地に畑を移(うつ)すように指導(しどう)しています。

また、土壌(どじょう)が流(なが)れていくことを防止するために、森を増加(ぞうか)し、土を豊(ゆた)かにすることが大切ですので、熱帯地域(ねったいちいき)では、農地にも樹木を植(う)えるようにする取り組みもとられています。樹木が育ち、地中に根(ね)が深く張(は)られると、土の流れ込みの防止ができますし、樹木による日陰(ひかげ)や落ち葉(おちば)によって土中(どちゅう)の水分の蒸発(じょうはつ)を緩和(かんわ)することができます。よって、土の中にほどよい水が蓄(たくわ)えられた状態(じょうたい)となり、農作物を育てるための良い環境(かんきょう)となります。

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塩まみれの土地にならないようにする-地球温暖化

主(おも)に乾燥(かんそう)している気候(きこう)の地域で発生(はっせい)する塩類集積(えんるいしゅうせき)ですが、これが原因により農作物が育たないといったことも大きな問題とされています。

アフリカのナイル川下流付近(かりゅうふきん)で起きている塩類集積(えんるいしゅうせき)ですが、大きなアスワンハイダムが建造(けんぞう)されたことが、ひとつの要因(よういん)となっています。このダムができたことにより、水力発電(すいりょくはつでん)ができましたので、この地域(ちいき)に住む人たちに電気(でんき)のある生活を営(いとな)むことができるようになりました。また、ナイル川の氾らんで家が流されることもなくなりました。

しかし一方では、これまでは周辺の土地からナイル川に流れ、そのまま下流に流されていた土地の塩類(えんるい)が、ダムで川の流れがストップしたことにより、流域(りゅういき)の畑の地表で塩類が目立ち始(はじ)めました。

こうした背景(はいけい)も手伝(てつだ)い、ナイル川にダムを建造することを反対(はんたい)する住民(じゅうみん)も増加(ぞうか)してきております。でも、貧(まず)しい国に住む人たちにとっては電気や洪ずい防止は、大変魅力的(みりょくてき)でもあります。どちらをとるべきなのかを一筋縄(ひとすじなわ)で選(えら)ぶことができません。

これらのような対策(たいさく)についても、やはりアメリカ、ヨーロッパや日本などの先進国(せんしんこく)が先頭(せんとう)に立って援助(えんじょ)していかなくてはいけません。水分の蒸発を防止するために、農作物の周囲にビニールで覆(おお)う方法(ほうほう)を教(おし)えたり、地下水の水位(すいい)をバランスよく調整(ちょうせい)するという技術(ぎじゅつ)を伝授(でんじゅ)したりなどです。

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