世界から日本に期待されていること-地球温暖化

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森・土・水の問題(もんだい)についてこれまで色々(いろいろ)お話ししてきましたが、それぞれが複雑(ふくざつ)に関係(かんけい)し合っていることがわかったと思います。また、問題を抱(かか)えている国が別(べつ)の国にも影響(えいきょう)を及(およ)ぼすこと、そして、世界のあらゆるところで発生(はっせい)している森・水・土の問題は、当時国(とうじこく)のみの問題にとどまらず、貧困(ひんこん)にあえいでいる発展途上国(はってんとじょうこく)と先進国(せんしんこく)との関係(かんけい)から生まれている問題と言うこともわかっていただけたと思います。

このようななか、ぼくたち日本は森・水・土の問題に取り組むと良いのでしょうか。

日本は周りを海で囲(かこ)まれた島国(しまぐに)です。陸(りく)でつながっていないとはいえ、海・空などが世界とつながっていると考(かんが)えると、日本国内で発生した問題が、外国に影響(えいきょう)を及(およ)ぼさないと言うことはないでしょう。

また、日本は世界屈指(せかいくっし)の先進国であり、豊(ゆた)かな部類(ぶるい)にはいります。しかし、国内で消費(しょうひ)する食料(しょくりょう)の6割(わり)は外国(がいこく)に頼(たよ)っていますし、石油(せきゆ)や天然ガスなどの化石燃料(かせきねんりょう)も大半(たいはん)は輸入(ゆにゅう)に頼(たよ)り切っています。つまり日本は、外国の支援(しえん)なくては、いまのぼくたちの暮らし(くらし)や生活が成(な)り立たないのです。

2002年に、南アフリカ共和国(きょうわこく)のヨハネスブルグで開催(かいさい)された「ヨヤネスブルグサミット」では、「先進国は発展途上国を支援(しえん)し、環境問題(かんきょうもんだい)の解決(かいけつ)のための努力(どりょく)を惜(お)しまない」ということが決定(けってい)しました。

現在、日本は国内のみにとどまらず、世界各国で発生している森・水・土の環境問題も、解決できるように取り組むことが求(もと)められています。

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世界に向けた日本の水問題の取り組み-地球温暖化

世界各国(せかいかくこく)で発生している水問題について、日本はどのように取り組んでいるのでしょうか。

現在、NPO(えぬ・ぴー・おー)(非営利組織(ひえいりそしき))・NGO(えぬ・じー・おー)(非政府組織(ひせいふそしき))などといった団体(だんたい)によって、発展途上国で起きている水環境(みずかんきょう)の安全(あんぜん)を保(たも)つための活動(かつどう)を積極的(せっきょくてき)に行っています。たとえば、井戸(いど)を作ったり、給水(きゅうすい)タンクをおいたりなど、きれいで清潔(せいかつ)な環境(かんきょう)で水が飲(の)めるように当事国(とうじこく)にて活動(かつどう)を行っています。また、きれいな水を保ち、土をよくするために、樹木(じゅもく)がなかなか育(そだ)たない乾燥地帯(かんそうちたい)において植林活動(しょくりんかつどう)を行うといった森林を保護(ほご)する活動をしている団体(だんたい)もあります。

これら団体の活動の他には、国際協力機構(こくさいきょうりょくきこう)(JICA(じゃいか))があります。国際協力機構は、上水道(じょうすいどう)や下水道(げすいどう)の設置(せっち)されていない地域(ちいき)で整備(せいび)を行ったり、専門的(せんもんてき)な技術(ぎじゅつ)の持つ日本スタッフを派遣(はけん)し、現地で技術を伝授(でんじゅ)したりなど、発展途上国への支援を惜(お)しむことなく行っています。

また、他の先進国の行政官(ぎょうせいかん)または専門技術者(せんもんぎじゅつしゃ)を日本に招待(しょうたい)し、情報(じょうほう)や技術(ぎじゅつ)の共有(きょうゆう)を行う研修活動(けんしゅうかつどう)は、発展途上国を救済(きゅうさい)することに大変(たいへん)役立っております。

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日本の水を守る取り組み-地球温暖化

日本に水を守る法律(ほうりつ)が2種類(しゅるい)あります。これらの法律を元に川の水質(すいしつ)を保護(ほご)しております。ひとつは昭和45年に定められた工場(こうじょう)や工業施設(こうぎょうしせつ)などから出される排水(はいすい)の水質を一定(いってい)のルールに定める「水質汚濁防止法(すいしつおだくぼうしほう)」です。この法律ができるまでは、排水は遠慮(えんりょ)なくそのまま川に流されていたのですが、排水に含(ふく)まれている有がい物質の基準(きじゅん)である「排水水質基準(はいすいすいしつきじゅん)」を決めてからは、そのまま川に排水を流されるようなことはなくなりました。

そして、もう一つの法律とは、平成5年に定められた「環境基本法(かんきょうきほんほう)」です。これは、川・湖・海などの水質に一定のルールを決めたことで、川の水がどのような状態(じょうたい)にあるかを判断可能(はんだんかのう)となりました。そして、定められた基準(きじゅん)を守るために、下水道の準備(じゅんび)がしっかり行われたりなど、市町村ごとに取り組みが行われるようになりました。

ただし、川が汚れる一番の原因といわれている生活排水の見直しは、現在に至(いた)ってもすすんでおりません。生活排水をいかにきれいにするかによって、川の汚れは大きく改善(かいぜん)されます。したがって、ぼくたちが意識(いしき)して改善できるようにすることが必要不可欠(ひつようふかけつ)です。法律で生活排水に基準(きじゅん)が設(もう)けられてしまうと、暮らしが窮屈(きゅうくつ)になりかねませんから、ぼくたちのちょっとした心がけは、とても大切なことなのです。

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汚れてしまった水を元に戻す取り組み-地球温暖化

日本では、川の水を使って家庭(かてい)、農業(のうぎょう)や工業(こうぎょう)で使用し、その一部は下水で適切(てきせつ)な処理(しょり)が行われてから、また川に戻(もど)ってきます。

いま下水処理場(げすいしょりじょう)では、下水に含まれている小さなゴミや不純物(ふじゅんぶつ)を除去(じょきょ)したり、有機物(ゆうきぶつ)の分解(ぶんかい)を行っています。有機物とは、バクテリアなどの微生物(びせいぶつ)の餌(えさ)になるもので、これが大量(たいりょう)に含(ふく)まれている水は、ばい菌(きん)が増殖(ぞうしょく)し、「どぶ水」になってしまいます。したがって、下水処理の行われていない水をそのまま川に流してしまうと、たちまち汚い川になってしまうのです。

日本では下水道整備(せいび)が、まだ十分に行き届(とど)いているとはいえない現状(げんじょう)です。平成15年までの下水道普及率(ふきゅうりつ)は約65%であり、大半が都市部に集中(しゅうちゅう)しています。下水道整備の行われていない地域では、生活排水などが下水処理されずにそのまま川に流されています。また、下水道整備されている都市部においても、急激(きゅうげき)な人口増加(じんこうぞうか)にともない、処理が追いついていない状況(じょうきょう)にもあります。

そこで、新しい取り組みとして、川の水の汚れを取り除く水質浄化施設(すいしつじょうかしせつ)を使っている地域(ちいき)も増えてきました。水質浄化施設とは、生活排水を1カ所に集中させて浄化処理を行う下水処理とはことなり、汚染(おせん)された川の水を集めて浄化処理(じょうかしょり)を行い、再び川に流すという施設です。水質浄化施設の利用により、川の水が再びきれいになっている地域も出てきており、成果(せいか)を見せています。

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