ごみの埋め立てからごみの焼却処理へ-リサイクル・環境・ごみ問題

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ごみ処理(しょり)はぼくたちが生まれる前から行われてきたことですが、現在(げんざい)の取り組みに至(いた)るまでどのようなごみ処理が行われてきたのかをみてみましょう。

さかのぼること、江戸時代(えどじだい)まで戻(もど)ります。このときからすでに、ごみについてルールが設(もう)けられていました。当時(とうじ)、幕府(ばくふ)により江戸の街(まち)が大きくなり、人々が多く集まりだしたことにより、ごみ処理が困難(こんなん)になっていきました。そこで、不衛生(ふえいせい)にならないよう、幕府は1655年に街にある空き地にごみを捨てるという行為(こうい)を禁止(きんし)としました。かわりに、ごみを1カ所(いっかしょ)に集めて、海岸(かいがん)を埋(う)めるものとして使われました。こうして「埋め立て」がはじまりました。

明治時代(めいじじだい)の終(お)わり頃(ごろ)には、市町村(しちょうそん)などの自治体(じちたい)が、ごみ処理を行うように決定(けっていし)しましたが、昭和(しょうわ)の最初(さいしょ)の頃(ころ)までは、だいたいのごみは埋め立てられているのみでした。

太平洋せん争(たいへいようせんそう)が終わった後、日本人の暮(く)らしに大きな変革(へんかく)が生(う)まれました。これに伴(ともな)い、ごみもこれまで以上に増加(ぞうか)しました。そのため、ごみ処理=埋め立て、という方法では問題(もんだい)がでてくるとされ、1963年に、都市(とし)で発生(はっせい)するごみは、衛生(えいせい)および減量(げんりょう)のために、焼却後(しょうきゃくご)、埋め立てを行うようにする法律(ほうりつ)が制定(せいてい)されました。

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産業廃棄物・有がいごみが目立ち始めた時代-リサイクル・環境・ごみ問題

1950年代の半(なか)ば頃から、日本経済(けいざい)は急成長(きゅうせいちょう)しました。好景気(こうけいき)となり急速(きゅうそく)に発展(はってん)し、人々の生活(せいかつ)にゆとりが生まれてきたのですが、焼却処理(しょきゃくしょり)のできない有がいなごみが増加(ぞうか)してしまい、ごみ処理の不可能(ふかのう)なごみが多くなりました。このことを重(おも)くみた政府(せいふ)は1971年に、清掃(せいそう)に関(かん)する法律を見直(みなお)し、大きく改正(かいせい)されました。これは、いままで「ごみ」という1種類(しゅるい)のみで、さまざまなごみを扱(あつか)っていたものを、ここではじめて「一般廃棄物(いっぱんはいきぶつ)」と「産業廃棄物(さんぎょうはいきぶつ)」へとわけられるようになりました。

このように、産業廃棄物は市町村ではなく、事業者(じぎょうしゃ)が処理するように決定しましたが、事業者が産業廃棄物を処理せずに、山や川などに捨てるという不法投棄(ふほうとうき)が目立ち始めたのです。

そこで、ごみの減少や不法投棄を防止(ぼうし)するための法律が作られましたが、どうしても不法投棄問題の根本的(こんぽんてき)な解決(かいけつ)には至りませんでした。今日(こんにち)までにも、法律がかえられている(内容がきびしくなっている)のですが、いまだに解決には至っておりません。

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循環型社会への取り組みが本格化-リサイクル・環境・ごみ問題

ごみ処理の歴史(れきし)をみていくとわかるとおり、さまざまな対策(たいさく)が行われてきて、今日に至ります。しかし、ごみが減るどころかまだまだ増え続けております。ごみは減らさないといけません。

そこで、家庭から出されるごみの1位である容器・包装(ようき・ほうそう)などは、資源(しげん)として再(ふたた)び使えるようにするため、1995年に「容器包装リサイクル法(ようきほうそうりさいくるほう)」が制定(せいてい)されました。この法律では、アルミ缶(かん)、ペットボトル、ガラスびん、スチール缶、紙やプラスチック容器などをリサイクルするように決めています。

1998年には、冷蔵庫(れいぞうこ)、テレビ、洗濯機(せんたくき)、エアコンといった4種類(しゅるい)の家電製品(かでんせいひん)は、製造会社(せいぞうかいしゃ)がリサイクルするようにと決めた「家電リサイクル法(かでんりさいくるほう)」が制定(せいてい)されました。また、2000年には「循環型社会形成推進基本法(じゅんかんがたけいせいすいしんきほんほう)」がつくられ、地球環境(ちきゅうかんきょう)に悪影響(あくえいきょう)を与(あた)えないようにする社会の取り組みが本格的に行われるようになりました。

2003年にはパソコンのリサイクル、2005年には自動車のリサイクルが開始(かいし)しております。

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