自動車のリサイクルを考えてみよう-リサイクル・環境・ごみ問題

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工業製品(こうぎょうせいひん)の中でもリサイクルされる率(りつ)が高いと言われている使用済み(しようずみ)の車(自動車)がどのようにリサイクルされていくのかを紹介(しょうかい)します。

日本国内(にほんこくない)で1年間の間に使用されなくなる車(自動車)は約500万台といわれています。このなかの100万台が中古車(ちゅうこしゃ)として外国(がいこく)に運(はこ)ばれて販売(はんばい)されます(※輸出(ゆしゅつ)といいます)。のこり400万台については解体作業(かいたいさぎょう)が行われます。車は解体により部品(ぶひん)として使用されたり、資材(しざい)としてリサイクルされたりします。回収後(かいしゅうご)の車(自動車)は、中古(ちゅうこ)として利用(りよう)できる部品(エンジンやバッテリーなど)を取り外し、こなごなに砕(くだ)かれます。そして、鉄(てつ)やアルミニウムなどの金属(きんぞく)、それ以外(いがい)のごみとに分別(ぶんべつ)を行い、鉄(てつ)は製鉄会社(せいてつがいしゃ)へ、鉄以外の金属については、さらに細(こま)かく分別(ぶんべつ)を行い、いろいろな業者(ぎょうしゃ)へ渡(わた)されていきます。その他(た)のごみに関(かん)しては使い道がないため焼却(しょうきゃく)されたり、埋め立て(うめたて)られたりします。製鉄会社に渡された鉄は、非常(ひじょう)に高い温度(おんど)の炉(ろ)で溶(と)かされて、鉄筋(てっきん)などの製品に生まれ変わります。

現在、使用済みの車(自動車)の回収率(かいしゅうりつ)は、100%に近い確率(かくりつ)で回収されています。そしてその20~30%が中古部品としてリユースが行われ、50~55%が資材としてリサイクルされています。

使用済みの車(自動車)のリサイクルにおいて問題(もんだい)となっているのが、使用できる金属などの部品を確保(かくほ)した後(あと)に残(のこ)るガラスとプラスチックが混(ま)ざったごみです。これらのような、異種素材(いしゅそざい)が混入(こんにゅう)しているごみは、分別が難(むずか)しく、大半(たいはん)がごみとして処理されてしまいます。したがって、現在のリサイクル率は5割(わり)程度(ていど)なのですが、これ以上(いじょう)のリサイクル率向上(こうじょう)をはかるのは険(けわ)しい道であるともいえます。

機能性(きのうせい)豊(ゆた)かな車(自動車)がうむ新しい問題

現在発売されている多くの車はたとえ軽自動車(けいじどうしゃ)であれエアコンがふつうについていたり、エアバッグが標準装備(ひょうじゅんそうび)されるようになりました。昔(むかし)の車は、大半はエアコンがオプションであったりしましたが、当時(とうじ)のエアコンにはオゾン層(そう)をこわすフロンガスが含(ふく)まれています。これは地球温暖化(ちきゅうおんだんか)の原因(げんいん)となっています。そのため、そのまま解体(かいたい)してしまうとフロンが大気内(たいきない)に含まれてしまいます。また、エアバッグには、すぐに膨(ふく)らむようにガスや火薬(かやく)がつかわれているため、そのまま解体するのは大変危険(きけん)です。これらのことから、フロンの回収・エアバッグの除去(じょきょ)には手間(てま)がかかるため、リサイクルが思うように進まないこともあります。

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車(自動車)のリサイクル率をもっと上げよう!-リサイクル・環境・ごみ問題

こういった現状(げんじょう)を打破(だは)するために2005年1月に「自動車リサイクル法」が施行(しこう)されました。自動車リサイクル法とは、使用済みの車(自動車)を処理(しょり)した後に出るリサイクル不可能(ふかのう)なごみ、フロンやエアバッグなどを自動車製造会社(せいぞうかいしゃ)が回収を行い、責任(せきにん)もって処分(しょぶん)を行うことを義務(ぎむ)づけました。したがって、これまで解体業者(かいたいぎょうしゃ)が行っていた作業の負担(ふたん)が減(へ)ると言うことになります。しかし、メーカーが処理を行う代(か)わりに、そのときに発生(はっせい)する費用(ひよう)はぼくたち消費者(しょうひしゃ)が負担することも義務づけられました。

自動車メーカーでは、自動車リサイクル法が施行されてから、リサイクルが効率よくできるために、部品に使われている素材がすぐにわかるように表記(ひょうき)したり、プラスチックでもリサイクルがしやすい種類(しゅるい)の素材を使用したり、部品ごとに解体することができるように設計(せっけい)を行ったりなど、リサイクルのための工夫(くふう)が随所(ずいしょ)で行われています。こうした各自動車メーカーの努力(どりょく)には、使用済みの車(自動車)のリサイクル率をリユース率も含めて2015年までには、約95%にまで上昇(じょうしょう)させようというもくろみがあるためなのです。

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