世界のごみの分別を知ってみよう!-リサイクル・環境・ごみ問題

世界各国(せかいかくこく)のごみの分別(ぶんべつ)はどのように行われているのか気になるところですよね。環境先進国(かんきょうせんしんこく)として名高(なだか)いヨーロッパの各国をみてみましょう。

北欧(ほくおう)スウェーデンのごみの分別

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北欧にあるスウェーデンでは、自治体(じちたい)や住(す)んでいる共同体(きょうどうたい)により違(ちが)いがあるのですが、基本的(きほんてき)に8~10種類(しゅるい)の分別が主(おも)に行われています。ノルショーピンという市では、茶色(ちゃいろ)と緑色(みどりいろ)した2種類のプラスチック箱(ばこ)が、各家庭(かくかてい)の前に設置(せっち)されています。

茶色のプラスチック箱には生ごみ、緑色のプラスチック箱には可燃(かねん)ごみを入れておきますと、自治体のごみ収集車(しゅうしゅうしゃ)が回収(かいしゅう)を行っていきます。これらは無料(むりょう)ではなく、すべて有料(ゆうりょう)です。したがって、お金を少しでも節約(せつやく)するために、各家庭はごみを減らす努力(どりょく)を行っています。

そのほかのごみについては、紙(かみ)、紙パック、びん、缶(かん)、古新聞(ふるしんぶん)や燃えないごみなど6種類(しゅるい)くらいにわけられて自宅(じたく)で保管(ほかん)しておき、街(まち)に1カ所ある収集場(しゅうしゅうじょう)へ、自(みずか)ら持って行く必要があります。びん、缶などの資源(しげん)ごみは無料で処理(しょり)を行ってくれます。

ドイツのごみの分別

ドイツのカールスルーエという市では、有がいごみ以外(いがい)の主だったごみは、「資源」「生ごみ」「その他のごみ」の3種類に分別が行われています。なお、回収が行われた資源ごみは、市から委託(いたく)された業者(ぎょうしゃ)が段ボール(だんぼーる)、紙、プラスチック、金属(きんぞく)、木や繊維(せんい)などに細(こま)かく分別が行われ、リサイクル処理されます。生ごみは高い温度(おんど)で発酵(はっこう)を行ってからガスを取り除(のぞ)き、エネルギーとして再利用しています。現在、その他のゴミについては、市内の処理場にて埋め立て(うめたて)が行われていますが、2005年から可燃物(かねんぶつ)の埋め立て規制が厳しくなりましたので、焼却処理(しょうきゃくしょり)が始(はじ)まっています。

世界各国(せかいかくこく)と日本では大きな差(さ)がみられない

ごみの分別についてみれば、ヨーロッパの環境先進国と日本を比べてみても大きな差がみられません。ただ違(ちが)う点(てん)は、長期間使用(ちょうきかんしよう)できる「ものづくり」にこだわりがあり、そこに住む人々がものを大切に使う習慣(しゅうかん)が生活のなかで根付(ねづ)いているというところ、そして、ごみをださないようにする意識(いしき)の違いが日本と大きな差があり、見習(みなら)わなくてはいけません。現在は、日本でも資源ごみの分別を積極的(せっきょくてき)に行い、リサイクルなどに関心(かんしん)を示(しめ)すようになりましたが、環境先進国に比(くら)べると、まだまだといってもよいのではないでしょうか。

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日本のごみの分別を知ろう!-リサイクル・環境・ごみ問題

では、ぼくたちの国、日本のごみの分別をどのようにすすめていくとよいのでしょうか。

日本は金属類(きんぞくるい)や石油(せきゆ)などの化石燃料(かせきねんりょう)や鉱物資源(こうぶつしげん)などを外国(がいこく)に頼(たよ)りっきりの国です。近い未来(みらい)、これらの資源(しげん)は少(すく)なくなり、手に入れることが困難(こんなん)になると言われています。こういった限(かぎ)られた資源を守(まも)るためには、大量生産(たいりょうせいさん)・大量消費(たいりょうしょうひ)の社会を見つめ直し、資源をごみにさせないようにする取り組みが必要不可欠(ひつようふかけつ)です。それでも排出(はいしゅつ)されたゴミについては、分別をしっかり行う必要があります。日本では、ごみを出す人が分別を行い、回収日にもっていってもらうので、びん、紙や缶などの資源ごみを確実(かくじつ)に回収できるよう対策(たいさく)をとるようにするのことが大切(たいせつ)です。

それでもまだ、多くのゴミは残(のこ)ってしまいます。現在(げんざい)、食品(しょくひん)トレーやペットボトルなど一部(いちぶ)のプラスチック製品(せいひん)の資源回収(しげんかいしゅう)がすすんでいます。しかし、他のプラスチック製品(せいひん)については分別が行われず、そのまま不燃ごみとして回収されてしまいます。貴重(きちょう)な石油から製造(せいぞう)されるプラスチック製品がごみになってしまうのは環境(かんきょう)の面でもよくありませんし、リサイクルにより還元(かんげん)できないことはもったいないといえるでしょう。

日本でも、ヨーロッパのようにプラスチックも分別を行い、回収するのが理想(りそう)でしょう。分別が行われていれば、資源としてリサイクルが可能(かのう)ですし、燃料(ねんりょう)として再活用(さいかつよう)することもできます。

また、爆発(ばくはつ)、汚染(おせん)や衛生的(えいせいてき)に問題(もんだい)の生じる「危険物(きけんぶつ)」は、作業員(さぎょういん)や清掃工場(せいそうこうじょう)を危険(きけん)な目にあわないように、しっかりと分別を行い回収してもらうことが必須(ひっす)です。

日本で行う分別として、理想の形は「危険物」「資源」「可燃ごみ」「プラスチック類」「不燃ごみ」の5種類の分別が最低限(さいていげん)必要になってくるでしょう。

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