トップページ >> 大気(たいき)が汚(よご)れ始(はじ)めた! >> 光化学(こうかがく)スモッグと自動車公害(じどうしゃこううがい)の関係(かんけい)

光化学スモッグってなに?-地球温暖化

光化学(こうかがく)スモッグという難(むずか)しい言葉ですが、意味(いみ)は「車や工場から大気に出された窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)などの体に良くない物質(ぶっしつ)が、日光に含(ふく)まれる紫外線(しがいせん)によって化学反応(かがくはんのう)をおこし、光化学オキシダントという酸性(さんせい)の物質になってしまうことでできるもの」です。 この光化学オキシダントが大気の中に含まれて蓄積(ちくせき)されていくと、空がまるで“もや”でもかかったように白く見えます。このように見えることから光化学スモッグと呼ばれています。スモッグという言葉はスモーク(けむり)とフォッグ(きり)をあわせてつくった言葉になります。

光化学スモッグが最初(さいしょ)に世間(せけん)に認知(にんち)されたのは昭和45年の7月のことです。東京都杉並区(とうきょうとすぎなみく)の環状7号線沿い(かんじょうななごうせんぞい)にあった学校で、40人ほどの生徒がグラウンドで体育をしているときに、生徒から「目がちかちかする」「息苦しい」などの症状(しょうじょう)を次々(つぎつぎ)と訴(うった)えかけて、保健室(ほけんしつ)や病院(びょういん)へ運(はこ)ばれることになりました。

そして、日本各地(にほんかくち)の大きな都市(とし)やその周辺(しゅうへん)を中心に、似(に)たような症状を訴えて病院へ行く人々が増(ふ)えました。光化学スモッグは、目やのどに痛(いた)みを訴えるのがはじまりといわれていますが、酷(ひど)いときには頭痛(ずつう)、めまい、胸(むね)がしめつけられる、手足(てあし)にしびれがでる、などいろいろな症状にも発展(はってん)します。

もし、ぜん息(そく)のある人、赤ちゃんや体(からだ)が元から強くない人などは光化学スモッグには注意(ちゅうい)が必要(ひつよう)です。

光化学(こうかがく)オキシダントの影響(えいきょう)とは?

昭和45年の光化学スモッグによる症状の原因(げんいん)は、はじめは何であるのかわかりませんでした。しかし、東京都が念入(ねんい)りに調査(ちょうさ)したところ、光化学オキシダントが原因であるということに突(つ)き止(と)めました。環状7号線(かんじょうななごうせん)で吐(は)き出された多くの排(はい)ガスが、強い日光に含まれた紫外線(しがいせん)によって変化(へんか)した物質(ぶっしつ)だったのです。

このように光化学オキシダントは初夏(しょか)~残暑(ざんしょ)残(のこ)る秋くらいまでのように日射しが強く紫外線が多くなるときや、風邪(かぜ)がほとんど吹(ふ)かないような日に発生しやすくなると言われています。逆を言うと、日射(ひざ)しが弱く、風 (かぜ)が強く吹く日は発生しにくいというわけです。したがって、冬は大丈夫でしょう。 光化学オキシダントの濃度(のうど)が高度(こうど)になると、ぼくたち人間だけではなく、野菜(やさい)、花や木などの植物にも影響(えいきょう)を及(およ)ぼしてしまいます。葉(は)がかれてしまうこともあります。

国内の自動車保有台数のうつりかわり

一向に改善されない自動車による公害-地球温暖化

光化学スモッグは、とくに車の排ガスの中にある窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)が原因(げんいん)とされています。そのために、自動車の排ガスに窒素酸化物ができるだけ含まれないように改善(かいぜん)する働(はたら)きが行(おこな)われてきました。結果(けっか)、光化学スモッグは改善前(かいぜんまえ)に比(くら)べ減少(げんしょう)しましたが、完全になくなるまでには現在(げんざい)も至(いた)っておりません。いくら排ガスに含まれる窒素酸化物を減少するよう改良(かいりょう)を加(くわ)えても、ぼくたちの生活において車は必需品(ひつじゅひん)であり、所有(しょゆう)する人は増加していく一方(いっぽう)です。日本において車を持っている人は2人に1台より多い割合(わりあい)となっています。これだけ車があると、対策(たいさく)が追いつかないのも仕方がないのかもしれません。

また、自動車の排ガスに含まれるのは窒素酸化物のみではありません。浮遊粒子状物質(ふゆうりゅうしじょうぶっしつ)も混入(こんにゅう)しています。車の行き来の激(はげ)しい大都市部(だいとしぶ)においては、この浮遊粒子状物質による大気汚染(たいきおせん)も激(はげ)しいのです。

このことを深刻化(しんこくか)した東京都では平成15年10月からディーゼル車(※とくに浮遊粒子状物質の排出(はいしゅつ)が酷(ひど)い)は、排ガスを減少させる装置(そうち)がつけられたものや低公害仕様(ていこうがいしよう)のものでないと東京都に入れないといった条例(じょうれい)を作り対策(たいさく)を施(ほどこ)しました。

  • JCCCA Web::全国地球温暖化防止活動推進センター

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