トップページ >> 大気汚染(たいきおせん)への取(と)り組(く)みとは? >> 自動車(じどうしゃ)による公害(こうがい)を防(ふせ)ぐためには?

車の排ガス対策とは?-地球温暖化

1970年のアメリカでは自動車(じどうしゃ)メーカーの大反発(だいはんぱつ)を受(う)けながら、議会(ぎかい)で大気汚染防止(たいきおせんぼうし)を目的(もくてき)とした法律(ほうりつ)「大気清浄法(たいきせいじょうほう)」が可決(かけつ)となりました。大気清浄法案(たいきせいじょうほうあん)を提出(ていしゅつ)したマスキー上院議員(じょういんぎいん)でしたので、別名(べつめい)「マスキー法」とも呼(よ)ばれています。この法律(ほうりつ)は自動車の排(はい)ガスに含まれる有がい物質を5年間で10分の1にするというものでした。

日本は当時(とうじ)、アメリカへの車の輸出(ゆしゅつ)を増加(ぞうか)していたのですが、大気清浄法が可決(かけつ)されたために、低公害(ていこうがい)タイプのエンジンの開発(かいはつ)が急務(きゅうむ)となりました。このようにして、自動車を製造(せいぞう)する上で考(かんが)えなくてはいけないことが、スピード、運転(うんてん)や安全(あんぜん)のほかに、低公害という新しい要素(ようそ)が必要(ひつよう)になった時代(じだい)でした。

日本でも昭和43年(1968年)に「大気汚染防止法(たいきおせんぼうしほう)」が制定(せいてい)され、この法律にのっとり、昭和48年(1973年)から1台の車から排出(はいしゅつ)される有がい物質について、排ガス規制(きせい)が開始(かいし)されました。また、昭和53年(1978年)には、日本独自(どくじ)の大気清浄法がつくられました。これは本家(ほんけ)よりも排ガス規制の厳(きび)しい内容(ないよう)となっています。

こうした背景(はいけい)をみると、時代がすすむとともに排ガス規制が厳しくなってきたため、車1台あたりが排出する有がい物質(ぶっしつ)は、1970年台と比較(ひかく)してもだいぶ減少(げんしょう)しています。しかし、排ガスから出る有がい物質の全体(ぜんたい)の量は減少(げんしょう)しておりません。逆に増加しております。理由(りゆう)は、車を所有(しょゆう)する人が増加しているために、総(そう)じて自動車の走行量(そうこうりょう)が増加しているためです。

車の利用(りよう)を今一度(いまいちど)考(かんが)えてみよう!-地球温暖化

国の排ガス規制だけで有がい物質を減少させることができないのであれば、どのような手段(しゅだん)を他(ほか)にとるとよいのでしょうか。

ひとつは、一人一人が車の利用を抑(おさ)えるようにすると言うことです。たとえば、車でショッピングに行くのではなく、電車やバスなどの公共交通機関(こうきょうこうつうきかん)を使ったり、最寄り駅付近(もよりえきふきん)の駐車場(ちゅうしゃじょう)に車を置(お)いておき、そこから電車やバスに乗(の)り換(か)えて行ったり(※この手段をパークアイランドと呼びます)、自転車(じてんしゃ)を使ったりするなどです。

こうした一人一人による大気汚染防止対策(たいきおせんぼうしたいさく)は、ドイツやアメリカなどの外国でよくおこなわれており、実際(じっさい)、成果(せいか)を上げております。ただ、日本は土地が狭(せま)いため、車や自転車を留(と)める場所が圧倒的(あっとうてき)に不足(ふそく)しているという問題(もんだい)もあり、なかなか定着(ていちゃく)してくれないのが現状(げんじょう)です。

また、街(まち)の中に入ってくる車の量を規制する都市(とし)もあります。例(たと)えば、スイスノツェルマットという町があるのですが、ここでは一般車(いっぱんしゃ)の立ち入りが禁止(きんし)されています。観光客(かんこうきゃく)も、排ガスを排出(はいしゅつ)しない電気自動車(でんきじどうしゃ)および馬車(ばしゃ)を利用する必要があります。

このような徹底的(てっていてき)な排ガス対策(たいさく)を行っている都市は外国にありますが、これは例外といってもいいでしょう。他の都市にこの対策を当てはめようとすると機能(きのう)しなくなってしまいます。そこで、曜日(ようび)を決定して車の利用を規制するといった日を決めたり、曜日によって町に入っていい車ナンバーを決めたりするなどの対策を行っている都市があります。

日本では、有がいな粒子状物質(りゅうしじょうぶっしつ)の吐(は)き出しの多い、トラックやバスなどのディーゼル車の規制が各地(かくち)で実施(じっし)されております。

パークアイランド

学校や会社(かいしゃ)など、目的地(もくてきち)まで全部に車を使って移動(いどう)するのではなく、地元(じもと)の鉄道(てつどう)の駅(えき)やバス停(てい)近場(ちかば)の駐車場(ちゅすやじょう)に車を預(あず)けて、あとは電車やバスなどの公共交通機関を利用する方法です。

アイドリングストップ

自動車からの排ガスを減少させるために、長時間(ちょうじかん)車を停(と)めておくときにエンジンを切っておくことです。バスやトラックなどの業務用(ぎょうむよう)自動車のみではなく、一般車でもアイドリングストップを行っている方を多く見かけます。

ディーゼルエンジンの規制

排ガスに含まれる有がい物質の排出を抑制(よくせい)する装置(そうち)を設置(せっち)し、排出基準(はいしゅつきじゅん)を満(み)たすように改良(かいりょう)しなくては、東京都に入ることができません。

  • JCCCA Web::全国地球温暖化防止活動推進センター

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