埃(ほこり)を調査(ちょうさ)しよう!
みなさんがお住まいの地域の大気がどれほど埃(ほこり)や汚れがあるのかを調査してみましょう。
この調査で用意(ようい)するものは、白と黒色のタイルを4枚(まい)から5枚くらいずつです。もしタイルがないのであれば、白と黒色の下敷き(したじき)でもOKです。
方法はまず、白と黒色のタイルを雨で濡(ぬ)れない軒下(のきした)といった外の屋根のあるところに、上向きにしておきます。そのほかにも、汚れ具合を比(くら)べるにはどこの場所がいいかを考(かんが)えてみて設置(せっち)してみてください。候補(こうほ)としては、学校、公園(こうえん)や車の行き来の激(はげ)しい道路(どうろ)の側(そば)などがいいと思います。
設置してから1週間(しゅうかん)くらい経過(けいか)したら、タイルを集めて、どれぐらい汚れているかを確認してみましょう。
白色のタイル上では黒っぽい汚れが、黒色のタイル上では白っぽい汚れがよく観察することができたと思います。タイルが汚れていれば汚れているほど、空気が汚染(おせん)されていると言うことになります。
黒っぽい汚れの原因は、車の排(はい)ガスや工場から排出(はいしゅつ)される煙(けむり)などにある「すす」で、白っぽい汚れの原因は、砂埃(すなぼこり)やセメント粉(ふん)などです。これらのどっちが多いかを比(くら)べることで、その場所と汚れの関係を確認することができます。調査結果(ちょうさけっか)を記録(きろく)して、その場所の大気がどちらの汚れが占(し)めているかを考えてみましょう。
二酸化窒素(にさんかちっそ)を調査(ちょうさ)しよう!
肉眼(にくがん)で観測(かんそく)できない大気の汚染も、測定することでどのような状態(じょうたい)であるかを確認することができます。
大気汚染測定運動東京連絡会(たいきおせんそくていうんどうとうきょうれんらくかい)では、1年に6月と12月の2回に、大気の中に含まれている二酸化窒素(NO2)(にさんかちっそ)を測定する一斉測定(いっせいそくてい)を実施(じっし)しています。二酸化窒素は窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)の一種(いっしゅ)であり、車の排ガスや工場から排出される煙が原因で作られる有がい物質です。
二酸化窒素の測定を行うときは、薬品(やくひん)を染(し)みこませた「ろ紙」の入った二酸化窒素捕集管(にさんかちっそほしゅうかん)という小さな円筒形容器(えんとうがたようき)のふたをあけて、測定予定(そくていよてい)の場所に設置し、1日(24時間)放っておくだけでできます。家の中に置いて空気を調べたり、家の周りや道路の周りなどにおいて調査するなど、いろいろと試(ため)してみましょう。
1日経過した二酸化窒素捕集管を、集めるときにすぐにふたをしてください。そして場所、天候(てんこう)や日時を記録用紙(きろくようし)に記(しる)し大気汚染測定運動東京連絡会に送付(そうふ)します。この方法は簡単(かんたん)にできますので、たくさんの人が自分の住んでいる地域の大気のよごれ具合(ぐあい)を調査しています。
大気汚染測定運動東京連絡会では、ボランティアの人たちが協力しあって、連絡会に送られてきた二酸化窒素捕集管の分析(ぶんせき)を実施(じっし)しています。この分析方法は、捕集管(ほしゅうかん)のふたを開(あ)けて、ザルツマンと呼ばれる試薬(しやく)をいれてから、約20分放(ほう)っておきます。時間が経過すると、試薬の色が変化(へんか)します。色の変化は二酸化窒素が多いほど、濃(こ)い赤紫色(あかむらさきいろ)になっていきます。数値化(すうちか)する場合は、専用(せんよう)の測定器械(そくていきかい)を使用(しよう)します。これらの測定結果は連絡会から送付されてくる報告書(ほうこくしょ)やホームページで確認することができます。
大気汚染測定運動東京連絡会のような測定を行っている団体は全国に多くあります。インターネットを利用(りよう)して調べてみるのも良いかと思います。
(※大気汚染測定運動東京連絡会:http://www25.big.or.jp/~tomi/air/tokyo/index.htm)